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4つの免疫学的バイオマーカー陽性患者における体外受精の結果に対するウコンベースのサプリメントの効果を評価するパイロット前向き研究

A Pilot Prospective Study Evaluating the Effect of Curcuma-Based Herbal Food Supplement on the Outcome of In Vitro Fertilization in Patients Testing Positive for Four Immunological Biomarkers Medicina (Kaunas) . 2024 Jan 25;60(2):204.

NOFLAMOX『ウコン(Curcuma)をベースにしたハーブ製剤(サプリメント)』が、特定の免疫学的バイオマーカーを持つ患者における体外受精(IVF)の成績に与える影響を評価した。ウコンには強力な抗炎症作用があるとされており、これが免疫系のバランスを改善し、結果として妊娠の成功率を高める可能性があると考えられている。結果、NOFLAMOXがIVF成功率に及ぼす影響についての有望な初期データを提供した。

Graphical Abstract

Graphical Abstract 4つの免疫学的バイオマーカー陽性患者における体外受精の結果に対するウコンベースのサプリメントの効果を評価するパイロット前向き研究
NOFLAMOXの免疫調節作用の概念図
本研究でバイオマーカーとして使用された4つの免疫学的因子は胚の発生から胎児形成の過程で、特にnegativeな作用に関与する因子であり、NOFLAMOXの摂取はこれらの発現を抑制すると考えられる。

背景と目的:炎症と酸化ストレスは、妊娠の成立と維持の可能性を低下させることが報告されている。抗酸化作用と抗炎症作用が認められている最近開発されたハーブ製剤であるNOFLAMOXは、生理的またはIVF後の妊娠の可能性を高める興味深い治療法となりうる。本研究の目的は、NOFLAMOXの効果を評価することである。原因不明の不妊症患者を対象に、4つの免疫学的バイオマーカーを検出できるIMMUNOXパネルについてを用いて、前向き研究アプローチでスクリーニングを行った。

材料と方法:原因不明の不妊症で、IMMUNOXパネルの少なくとも1つのバイオマーカーが陽性であった患者をこの研究の対象とし、体外受精周期の3カ月前からNOFLAMOXによる治療を行った。

結果:86人の患者(n= 86)がIMMUNOXパネルでスクリーニングされ、陽性と判定された47人(54.5%)が本研究の対象となった。詳細には、TNFα陽性が11人(23.4%)、グリコデリン陽性が18人(38.3%)、Total Oxidative Status(TOS)陽性が29人(61.7%)、補体活性毒性因子(CATF)陽性が32人(68.1%)であった。治療3ヵ月後、IMMUNOX陽性患者数の有意な減少が観察され、IMMUNOX陰性に転じた26人の患者は、TNFα、グリコデリン、TOS、CATFについて、それぞれ100%(11/11)、38.9%(7/18)、65.5%(18/29)、75%(24/32)という量的な統計学的有意差を示した。その後の体外受精サイクルにおいて、このNOFLAMOX治療群の妊娠率は42.3%であったのに対し、IMMUNOX陽性群の妊娠率は4.7%であった。

結論:以上の結果から、NOFLAMOXは炎症性/酸化性因子の関与が疑われる原因不明の不妊症患者にとって興味深い選択肢となりうることが示唆された。これらの結果を確認し、免疫介在性不妊症の女性の妊孕性を回復させる可能性のある戦略を探るために、さらなる研究が必要である。

コメント

この論文は、特定の免疫学的バイオマーカーを持つ不妊患者のIVF成績に対するNOFLAMOX(ウコンベースサプリメント)の影響を評価する先行研究です。ウコンは伝統的に炎症を抑える効果があるとされています。また、特定の免疫学的バイオマーカーを持つ患者を対象とすることで、対象となる患者を個別化しています。結果として、免疫学的バイオマーカー(本研究で使用されている4因子)に関して、NOFLAMOXの摂取により顕著に低下することが示されました。その後の妊娠率との直接的な因果関係は断定できないが、本研究で得られたデータからは「特定の免疫学的バイオマーカーを持つ不妊患者」の妊娠率を大幅に改善できるサプリメントであると期待されます。

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